相続税について

相続税とは

相続税とは

「相続」とは、故人(被相続人)の残した遺産を、民法によって継承することが定められている人物(法定相続人)が取得することを言い、「遺贈」とは、故人(ここでは遺贈者)の遺言によって法定相続人以外の人物(受遺者)が財産を取得することを言います。
そして「相続税」とは、上記の法定相続人、受遺者が取得した財産に対して課せられる税金です。ただし、相続税には基礎控除が定められておりますので、遺産の評価額が基礎控除よりも下回る場合には、相続税が発生いたしません。もちろんこのケースにおいては税務署に対する申告も必要ありません。評価額が基礎控除を上回る場合でも、申告すれば税務上の特例措置(配偶者の税額軽減、小規模宅地の評価減)が適用され、相続税が発生しないこともあります。

相続手続き

相続申告スケジュール

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ご家族やご親族など、近しい方が亡くなった時にやらなければならないことはたくさんあると思います。その中の一つに、相続税の申告手続きがあることを覚えておいてください。相続税の申告書は、相続開始日(被相続人の死亡を知った日の翌日)から、10ヶ月以内に税務署へと提出しなくてはなりません。そのため、相続を開始してから3~4ヶ月までに、残された財産・権利、あるいは債務などの状況を把握し、相続する人物・人数の確認を行う必要があります。それらの内容に基づき、遺産分割、納付方法、納税資金などを検討し、申告書の作成を進めていくことになるでしょう。
また、国税の納付方法に関しては、金銭での一括納付、延納、物納の3種の方法があります。延納、物納を希望される場合は、申告書の提出日までに別途申告書類の提出が必要となりますのでご注意ください。

相続人の範囲と順位

民法では相続人の範囲(法定相続人)を、被相続人からみた次の人と定めています。

配偶者 夫または妻(先妻、先夫、内縁者は相続人になりません。)は常に相続人になります。
子供 子供が先に死亡している場合には、子供の子供である孫(直系卑属)が相続人になります。また養子も相続人になります。税法上、相続税の総額を計算する上で、養子については、実子がいる場合には一人まで、いない場合には二人までと定められています。(定められた人数以上の養子がいる場合でも相続することはできます。)民法上は養子が何人でも差支えありません。
被相続人に子がいない場合、親が相続人になります。その親も死亡している場合は親の親である祖父母(直系尊属)が相続人になります。
兄弟姉妹 被相続人に子、親共にいない場合には、兄弟姉妹が相続人になります。さらに兄弟姉妹が先に死亡している場合には、その兄弟姉妹の子が相続人になります。

下記のとおり、一定の順序に従って相続人となる人および相続権を主張できる割合が定められています。

順位 法定相続人と法定相続分
第1順位 子供(直系卑属)1/2 配偶者1/2
第2順位 親(直系尊属)1/3 配偶者2/3
第3順位 兄弟姉妹1/4 配偶者3/4

遺産分割とは

遺産分割とは、遺産を複数名(共同相続人)で分割する場合に、共同相続人がそれぞれ財産を取得するために行う手続きのことです。

遺産分割の種類

遺産分割の方法

遺産分割の方法には、主に遺言、協議、調停、審判の4つがあります。
遺言書などがあればスムーズですが、大抵は被相続人が死亡してから、家族などの相続人が相続方法について検討するパターンが殆どです。その場合は、協議(遺産分割協議)によって、遺産を分けるのが一般的です。

  • 1.遺言による分割
  • 2.協議による分割
  • 3.調停による分割
  • 4.審判による分割

遺産分割協議がまとまらないとき

遺産分割には、具体的な期限が設けられておりませんが、相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月)までに協議がまとまらなかった場合は、相続税の計算上不利になることがありますのでご注意ください。
また、誰が相続し、どのくらいの財産を取得できるのか、配偶者、子など、一定の順序に従い、主張できる割合が定められています。詳細はこちら

申告期限内に遺産分割がまとまらなかった場合、不利になる点

相続税の計算方法

相続税は、相続や遺贈によって財産を取得した人ごとにかかる各人の課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いた金額を、法定相続分に応じて算出された各人の取得金額ごとに超過累進税率を適用して計算されます。各相続人が納付しなくてはならない相続税額の計算は、相続税の総額を按分し、その金額から税額控除額を差し引いた金額となります。

1.相続財産-非課税財産=遺産総額

2.遺産総額-(債務+葬式費用)+生前贈与加算=課税価格

3.課税価格-基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)=課税遺産総額

4.法定相続人の法定相続分×税率=各人の相続税額(各人の相続税額の合計が相続税の総額)

5.相続税の総額×各人の課税価格/課税価格の合計額=各人の取得財産に応じた相続税額

相続税対策:押さえておきたい3つの重要ポイント

相続に際し、ぜひ押さえておいて欲しい3つの重要なポイントがあります。

  • 争族対策

    遺産を巡り、相続人同士で諍いが起きないよう、最も有効な手段である「遺言書の作成」や、相続の際に分割しやすいよう「生前に財産を分割または換金」するなどの措置を講じます。相続人の皆様が全員幸せになるためには、これが一番重要です。

  • 納税資金対策

    節税対策の前に、まずは「納税資金の確保」を行いましょう。節税対策を講じても、相続財産を売却して納税したり、相続財産を売却しても納税ができなかったり(もしくは売却自体が困難)ということがあります。相続税で破産してしまう、といった事態を未然に防ぐためにも重要な対策です。

  • 節税

    節税は、左記の2点をしっかりと押さえた上で取り組みましょう。
    相続税の改正や経済状況に大きな変動がないという前提であれば、ある程度効果的な対策が可能です。将来の税制改正の内容如何では、節税対策が無意味になる可能性がないとは言いきれません。弊事務所では、将来の状況に左右されないよう「ポイントを押さえた節税対策」を行います。

相続税対策:相続に強い税理士

皆様に知っておいていただきたいのは、「税理士だったら誰でも相続税対策ができる」というわけではないということです。年間の相続課税件数は約4万件強。税理士事務所の数が約3万件強という事実を踏まえれば、単純に計算しても依頼件数は年間1件弱ということになります。中でも相続を中心に業務を行っている税理士事務所が、数をこなしていることを考えると、殆どの事務所が相続税対策に関して依頼されていないということになるのです。
また、相続税法に合格している税理士は、全体の2~3%しかおりません。税理士と一口に言っても、分野によって得手不得手があり、選択を誤ると「相続で親族間の関係が悪くなった」「無駄な税金を払ってしまった」「相続財産を売らないと相続税を払えなかった」といった事態を招きかねません。相続対策には弊事務所のように相続に強い税理士事務所に依頼しましょう。

相続税・遺産相続のことなら中野区相続相談所へお任せ!

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